相続税の節税問題(相続・贈与とその税務)
相続税の節税問題
相続税の納税資金問題と併せて、相続税の節税問題についても考えてみます。
やはり典型的な例としては、不動産(主として土地)を多くお持ちの方の相続税現状分析の結果についての対策問題でしょう。
バブルの時期によく見られたのが、更地や駐車場用地に貸家(多くは貸アパート・マンション)を建てる方法です。
これにより、その土地の相続税評価額は自用地評価額から貸家建付地に変わり、約2~3割の評価減が期待できます。
しかし、この方法は注意が必要です。
採算性の検討をせずに、単に相続税の節税効果だけをねらって行った貸家建築は失敗している場合が結構あるようです。
キャッシュフローが回らずに資金の持ち出しとなり金融資産の減少を招いたケース、あるいは更地としておいたなら相続税の納税資金捻出のための売却や物納が可能であったのに、貸家を建築したためにこの売却や物納が困難となってしまったというケースなどです。
この様なケースに陥らないために重要なのは、相続税の節税面のみに注目するのではなく、その対策案の採算性やキャッシュフローも重視することです。
貸家を建設するのであれば、空室リスクも勘案し、どの程度の危険性まで耐えることができるのかもしっかりと検討する必要があるでしょう。
相続税対策は節税効果や目先のことだけにとらわれず「まずはしっかり検討。決定後は迅速に実行する。」ということが重要で、どこか企業経営に似たところがあるようです。
福井 一准
(税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、宅地建物取引主任者試験合格者)
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