相続税が0円(相次相続控除)(専門的過ぎない相続の話)
相続税が0円(相次相続控除)
前号でお知らせした相続税の課税方式の変更は、平成21年度の与党税制改正大綱には盛り込まれず、実質的には先送りとされたようです。
私は21年度で相続税の課税方式は変更されると予想していましたので、今月はその概要に触れるつもりでした。
そこで今月は話題を変えて実務の経験話をします。
依頼を受けた相続税案件の被相続人Aさんは、遺産に係る基礎控除額(8千万円でした)の倍に当たる1億6千万円の遺産(全て相続税の課税対象です)を遺してお亡くなりになりました。
この遺産ですが、その半分以上はAさんが亡くなる日の2年半前に、Aさん自身が、ある親族の相続人となり相続した財産でした。
Aさんはこの時に多額の相続税を支払っていました。
今回は被相続人Aさんの子供3人が相続人として遺産を相続します。
このときの3人の相続税の計算ですが、通常は遺産価額が基礎控除額を超えていますので子供3人は相続税を納めることになります。
しかし、今回の相続税の納税金額は子供3人とも0円でした。
つまり無税でAさんの遺産を子供3人が相続することができました。
なぜこの様な相続税の計算になったかと言いますと、Aさんが2年半前の相続で支払った相続税相当額のうち8割を限度として、子供3人が本来納付すべき相続税から控除することができたからです。
この控除は相次相続控除というものです。
Aさんの遺産の一部は2年程度のうちに相次いで相続税が課税されることとなり、その分だけ相続税の負担が重くなります。
そこで前回支払った相続税相当額のうち一定金額を今回の相続税より控除することで税負担を軽減するために設けられたものが、相次相続控除という税額控除制度です。
相次相続控除などほとんどないであろうと思うなかれ・・・私はここ数年で何回か適用した相続税申告を依頼されています。
減税効果の大きい、知っておいて損のない制度です。
福井 一准
(税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、宅地建物取引主任者試験合格者)
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