2008年12月16日 (火)

暦年課税贈与税の留意点(生前贈与加算)(相続・贈与とその税務)

相続・贈与とその税務

暦年課税贈与税の留意点(生前贈与加算)

「暦年課税制度による贈与税」の課税対象となる贈与を行ったことにより、相続人等に課税される相続税の影響が全くなくなるかというと実はそうではありません。

相続税の計算において、亡くなった方である被相続人が相続開始前3年以内に贈与した財産のうち、相続などで被相続人の遺産等を取得した者に対する贈与財産を相続財産に加算する(相続税の課税対象とする)・・・生前贈与加算という制度が相続税法に設けられている点に注意が必要です。

相続税の計算上、相続などで遺産を取得した者が被相続人からその亡くなる前の3年以内に贈与を受けた財産は、相続財産の前渡し的な要素が強いと考えます。

そこでこの3年以内の贈与財産は遺産ではないのですが、相続税の計算をする上ではその課税対象とするという規定です。

つまり

  • 相続等により遺産を取得した者が被相続人からその亡くなる前の3年以内に贈与を受けた財産 → 相続税の課税対象となります。
  • 相続等により遺産を取得しなかった者が被相続人からその亡くなる前の3年以内に贈与を受けた財産 → 相続税の課税対象とはなりません。

これを逆に捉えると、相続人ではなくて遺産を取得することもないであろう孫へ贈与するなど相続税を絡めた生前贈与対策を検討することも有効です。

相続税対策を目的とした生前贈与は、長期的な視野を持って検討する必要があるとともに、税務や法務の諸問題があります。

将来の相続税が心配な場合には、現状分析を含めた検討が必要であることをしっかりと認識しておきましょう。


福井 一准
(税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、宅地建物取引主任者試験合格者)

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