相続税の計算方法の概要
相続税は、相続により財産を取得した個人にかかる税金です。
しかし、相続税の「遺産に係る基礎控除」は高額に設定されているため、死亡した者に対する相続税の申告割合(相続税の対象となる割合)は5%弱であるのが現状です。
税金の計算方法はその税目(税金の種類)により異なります。
例えばサラリーマンの方の所得税・住民税は、その年の1月1日から12月31日までの間に、会社から支給される給料・賞与の合計額を基に計算します。
従って、年収の予想と家族状況などが分かればその方の所得税・住民税の予想額は計算できることになります。
では、相続税の場合です。
ある方が、次のような相続税に関する相談をされたとします。
「将来父が死亡したときに、父の遺産のうち1億円を相続する場合、相続税はどれくらいかかるのか?」
回答は「それだけでは分かりません」とならざるを得ません。
相続税は、所得税のようにその人が財産をいくら相続したかで税額を計算する方式ではないからです。
相続税には、独特の計算方式があり、基本的な流れは次のとおりです。
1.一定の計算により、相続税が課税される被相続人の遺産の総額を計算します。これを「課税価格の合計」と言います。
2.「課税価格の合計」を基に、「相続税の総額」を計算します。
3.「相続税の総額」から被相続人の遺産を実際に取得した者へ、その取得割合に応じて按分します。
4.按分した税額から遺産を実際に取得した者(相続人など)のそれぞれの状況に応じて加算・控除をして納付すべき相続税額を計算します。
この加算には「相続税額の2割加算」があり、控除には「贈与税額控除」「配偶者の税額軽減」など6種類あります。
なお、この加算・控除ともに全くないケースも多くあります。
1~4の流れをみて分かるとおり、相続税の計算は、被相続人の遺産価額を把握することからスタートします。
従って、相続税対策の前提となる予想相続税額を計算するには「相続する予定額」ではなく、「遺産の総額」からスタートしなければなりません。