相続時精算課税の相続税
相続時精算課税の相続税
相続時精算課税を選択して贈与を受けた子がいる場合に、その贈与者である親の相続が開始したときの相続税の計算は、不利な取扱いとなります。
具体的には、相続時精算課税を選択した贈与財産は全て親の遺産に加算して相続税を計算します。
ただし、相続時精算課税の贈与税を支払っているときは、計算した相続税額からその贈与税相当額の全額を控除することができます。
もし、控除しきれない金額があるときには、税務署はその全額を還付してくれます。
具体例を挙げます。
・長男は父親からの贈与について相続時精算課税を選択して5,000万円の贈与を受けた
・長男が納付した贈与税額
{5,000万円-2,500万円(特別控除)}×20%=500万円
・父親の相続時の遺産 50,000万円
■1.相続税の課税対象となる価額
50,000万円+5,000万円(贈与財産)=55,000万円
■2.長男の納付または還付される税額
(ケース1)計算した長男の相続税額が700万円の場合
納付すべき相続税額=700万円-500万円(納付した贈与税)=200万円
(ケース2)計算した長男の相続税額が300万円の場合
還付される相続税額=300万円-500万円(納付した贈与税)=△200万円
相続税と贈与税を一体化したこの制度は、相続時精算課税を選択した贈与財産は全て相続財産の前渡し、納付した贈与税は全て相続税の前払いと考え、贈与者である親の相続時点で精算してしまおうという制度であることがわかります。
福井 一准
(税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、宅地建物取引主任者試験合格者)
昭和38年大阪府生まれ。横浜国立大学経営学部卒。税理士事務所等へ勤務後、平成2年税理士登録。勤務中は法人の財務・税務のほか、相続税や不動産譲渡などの資産税税務も数多く担当。 平成5年福井一准税理士事務所として独立開業。税理士事務所所長として税理士業務や相続を中心としたFP業務を行うとともに、FP資格認定校にてFP試験「相続・事業承継設計」の兼任講師も務める。 【ブログ】いちじゅん税理士の事務所通信
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