相続時精算課税の相続税
相続時精算課税を選択して贈与を受けた子がいる場合に、その贈与者である親の相続が開始したときの相続税の計算は、不利な取扱いとなります。
具体的には、相続時精算課税を選択した贈与財産は全て親の遺産に加算して相続税を計算します。
ただし、相続時精算課税の贈与税を支払っているときは、計算した相続税額からその贈与税相当額の全額を控除することができます。
もし、控除しきれない金額があるときには、税務署はその全額を還付してくれます。
具体例を挙げます。
・長男は父親からの贈与について相続時精算課税を選択して5,000万円の贈与を受けた
・長男が納付した贈与税額
{5,000万円-2,500万円(特別控除)}×20%=500万円
・父親の相続時の遺産 50,000万円
■1.相続税の課税対象となる価額
50,000万円+5,000万円(贈与財産)=55,000万円
■2.長男の納付または還付される税額
(ケース1)計算した長男の相続税額が700万円の場合
納付すべき相続税額=700万円-500万円(納付した贈与税)=200万円
(ケース2)計算した長男の相続税額が300万円の場合
還付される相続税額=300万円-500万円(納付した贈与税)=△200万円
相続税と贈与税を一体化したこの制度は、相続時精算課税を選択した贈与財産は全て相続財産の前渡し、納付した贈与税は全て相続税の前払いと考え、贈与者である親の相続時点で精算してしまおうという制度であることがわかります。