贈与税の配偶者控除の留意点
贈与税の配偶者控除について、実務上多いケースである「夫が100%所有している居住用土地・家屋の持分の一部を、同居している妻に贈与する場合」を前提に考えてみます。
贈与する居住用不動産ですが、今後も贈与を受ける配偶者が引き続きそこに居住する見込みがあれば、次のどのケースでも適用可能となります。
1.家屋と土地の両方の持分を贈与する
2.土地のみの持分を贈与する
3.家屋のみの持分を贈与する
一般的には、1または2のケースが多く、3のケースは私自身には経験がありません。
相続税対策として地価上昇時に適用を受けた方は、2のケースを好んでいました。
但し、この土地のみの持分を贈与する場合には注意が必要です。
それは、将来その居住用不動産を売却することになったときの譲渡所得税の特例である「居住用財産を譲渡したときの3千万円の特別控除」の取扱いです。
この特別控除は、原則として家屋の所有者が適用を受けられるものなので、土地の持分のみを妻に贈与した場合には、妻は単独で3千万円控除の適用を受けられないことになります。
その結果、譲渡所得税の負担が重くなる可能性があります。
贈与したときにはそこに住み続けるつもりがあっても、将来どうなるのかはわかりません。
将来的にその居住用不動産を売却する可能性があるのかないのかも検討した上で、家屋部分を贈与するかしないかを決める必要があります。