老人ホーム入所による空家の場合の居住用宅地
老人ホーム入所による空家の場合の居住用宅地
前回は、被相続人が病院に入院中に相続が開始した場合の居住用宅地について触れました。
それでは被相続人が病院ではなく、老人ホームへ入所中に不幸にして亡くなった場合、空家となっていた自宅敷地についての小規模宅地等の特例の適用はどうなるのでしょうか?
原則的な考え方は、被相続人が老人ホームに入所したときは、それに伴い、被相続人の生活の拠点もその老人ホームに移転したものとされます。
特に入所していた老人ホームが、被相続人や親族によって所有権や終身利用権が取得されたものであるときは、生活の拠点は完全にその老人ホームに移ったと考えられます。
そのため、空家である自宅敷地は居住用宅地等には該当せず、小規模宅地等の特例は適用できません。
しかし、現在では特別養護老人ホームのように、介護の必要性から老人ホームに入所するケースなどが多々あり、治療のために病院に入院するのと同様の状況で老人ホームへ入所することもかなりあると考えられます。
そこで老人ホームへ入所中に相続が開始した場合、老人ホームへの入所の事情や空家となっていた被相続人の自宅敷地について、以下の状況にある場合には、本来の自宅が生活の拠点と捉えて、その敷地について小規模宅地等の特例の適用を受けることができることとされています。
1.被相続人の身体上や精神上の理由から介護を受けるために老人ホームに入所したこと
2.被相続人がいつでも生活できるよう建物の維持管理がされていたこと
3.他の者の居住の用などに供していないこと
4.老人ホームは被相続人や親族によって所有権や終身利用権が取得されたものでないこと
福井 一准
(税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、宅地建物取引主任者試験合格者)
昭和38年大阪府生まれ。横浜国立大学経営学部卒。税理士事務所等へ勤務後、平成2年税理士登録。勤務中は法人の財務・税務のほか、相続税や不動産譲渡などの資産税税務も数多く担当。 平成5年福井一准税理士事務所として独立開業。税理士事務所所長として税理士業務や相続を中心としたFP業務を行うとともに、FP資格認定校にてFP試験「相続・事業承継設計」の兼任講師も務める。 【ブログ】いちじゅん税理士の事務所通信
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