2009年4月 9日 (木)

債務控除

専門的過ぎない相続の話

債務控除

被相続人が亡くなった場合、相続人は原則として被相続人の現金、預貯金、不動産や株式といったプラス財産と、借入金や未払金といったマイナス財産(債務と言います)を被相続人から引き継ぐことになり、これを相続と呼んでいます。

一方、被相続人が亡くなったことにより財産を引き継いだ相続人に相続税が課税される場合、その相続税の計算は相続人が取得した財産の価額から一定の債務と一定の葬式費用を控除(債務控除と言います)した価額を基にします(但し、日本国外に住所のある相続人は債務控除ができない場合があります)。

ところで、相続税が課税される相続人にとって、被相続人から引き継いだ債務や支払った葬式費用であっても相続税の債務控除ができないものがあります。

この債務控除の対象とならない債務と葬式費用について、実務でよく出てくるものを1つずつ紹介します。

・債務 → 相続税の非課税財産となる墓地購入のための借入金
墓地は原則として相続税の課税対象とはなりません。課税対象とならない財産に係る債務は債務控除の対象とはなりません。相続税の節税対策のためには、相続税の非課税財産である墓地は債務控除の対象とならないローンでの支払いではなく、生前に一括払いで購入することと言われる所以です。

・葬式費用 → 法会費用
法会とは法事のことで、初七日・四十九日・一周忌などがあります。これは死者の追善供養の儀式というもので、死者を葬る儀式である葬式とは異なることから控除の対象とはなりません。但し、私が主に相続税の申告業務を行う首都圏では、初七日は告別式などの葬儀と同時に行うことが大半で、葬儀費用と初七日費用を明確に区分することができません。この様なケースでは、初七日費用は葬儀に通常伴う費用と捉えて債務控除の対象としています。

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福井一准福井 一准

(税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、宅地建物取引主任者試験合格者)

昭和38年大阪府生まれ。横浜国立大学経営学部卒。税理士事務所等へ勤務後、平成2年税理士登録。勤務中は法人の財務・税務のほか、相続税や不動産譲渡などの資産税税務も数多く担当。 平成5年福井一准税理士事務所として独立開業。税理士事務所所長として税理士業務や相続を中心としたFP業務を行うとともに、FP資格認定校にてFP試験「相続・事業承継設計」の兼任講師も務める。 【ブログ】いちじゅん税理士の事務所通信

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