2009年11月19日 (木)

借地権の地位に変更がない場合

専門的過ぎない相続の話

借地権の地位に変更がない場合

今回も、借地権の慣行のある地域において、第三者である地主から普通借地契約により宅地を借りて建物を建てている状況を前提に話を進めていきます。

テーマは、借地権者の関係者である個人が、第三者の地主より底地を買い取る場合です。

よくある例を挙げてみます。

第三者の所有する宅地を借り受けて建物を建てていたところ地主が亡くなり、地主の相続人から借地権者へ底地(所有権)の買い取りの要請がありました。

ところが、底地購入資金の借入について金融機関が借地権者の年齢を理由に融資をしてくれません。

しかし、借地権者の子が借り主であれば金融機関は融資をするそうなので、子が底地を買い取ることとなりました。

この親と子の間では借地権自体を親から子に譲るという認識は全くなく、新たな地主となる子と借地権者の親は今後の地代の授受をしない使用貸借とします。

この様に、底地を買い取る子と借地権者である親は借地権者の代わる認識がありません。

しかし、結果としてこれまでの賃貸借から使用貸借に変わってしまいました。

この場合に税務上は借地権の贈与に当たるのかどうかが問題となります。

「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて(使用貸借通達)」によると、地主が変わり賃貸借から使用貸借に変わったとしても借地権者は従前の地主との間にあった借地権者の地位を放棄していない場合、すなわち借地権者の地位に変更がないと認められるときには借地権相当額の贈与税の課税はしないことになります。

ただし、父(借地権者)、子(建物所有者で地主)の連名による「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を所轄税務署長に対して提出することが必要です。

この「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」の様式は、次の国税庁サイトでダウンロードできます。

 借地権者の地位に変更がない旨の申出書

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福井一准福井 一准

(税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、宅地建物取引主任者試験合格者)

昭和38年大阪府生まれ。横浜国立大学経営学部卒。税理士事務所等へ勤務後、平成2年税理士登録。勤務中は法人の財務・税務のほか、相続税や不動産譲渡などの資産税税務も数多く担当。 平成5年福井一准税理士事務所として独立開業。税理士事務所所長として税理士業務や相続を中心としたFP業務を行うとともに、FP資格認定校にてFP試験「相続・事業承継設計」の兼任講師も務める。 【ブログ】いちじゅん税理士の事務所通信

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