共済年金と厚生年金の一元化について(2)
共済年金と厚生年金の一元化について(2)
前回に続いて、共済年金と厚生年金の一元化について見てまいりたいと思います。
前回、共済年金と厚生年金における保険料率と給付面の官民格差について触れましたが、もう少し具体的に確認しておきましょう。
【1】まず給付額では、共済年金には、報酬比例部分と定額部分の上に、3階部分に相当する「職域部分」があり、厚生年金に比べて、約2割アップとなっています。
【2】次に保険料ですが、職域部分を除く1・2階の共通部分の保険料率は共済年金の方が低くなっています。(2005年度で、厚生年金14.288%、国共済13.5%、地共済12.7%、私学共済9.9%)
【3】障害年金や遺族年金の支給要件として、厚生年金の加入者に求められる保険料納付要件(少なくとも直近の1年間に保険料の未納がないこと)が共済年金にはありません。
【4】厚生年金では遺族年金の受給権は一代限りで、次順位者へ転給することはありませんが、共済年金では、次順位者への転給制度があります。
【5】厚生年金では遺族年金の遺族の範囲について、本人死亡時、子や孫については18歳の年度末、夫や父母、祖父母については55歳以上とした年齢制限がありますが、共済年金にはこれらの年齢制限はありません。
【6】厚生年金の加入者が60歳以降も働く場合の在職老齢年金では、年金が減額される基準額が28万円以上となっていますが、共済年金の加入者が60歳以降に民間で働く場合は、基準額が48万円以上となっており、カットされる最低基準が高くなっています。
【7】現在給付されている共済年金には、恩給制度が引き継がれているため、約17兆円の税金が投入されています。
このような両制度上の格差を解消して一元化を目指すことになりますが、格差解消は段階的に行われますので、両制度が実質的に完全統一されるには、かなり長い時間の経過を要することになります。
その道筋については次回にご説明いたします。
三原 譲
(社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、1級DCプランナー、DCアドバイザー、証券外務員一種、宅地建物取引主任者)
昭和11年生まれ。九州大学法学部卒。日興証券にて支店長、部長等を歴任。社会保険労務士資格取得後、平成13年に三原社会保険労務士事務所を開業。平成15年から「りそな総合研究所」顧問として人事・労務相談を中心に活躍する。株式会社フリーダムリンク顧問。
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