外貨預金
外貨預金
今回から、「外国債券」の資産クラスの中の具体的な投資対象を取り上げます。
まずは、外貨預金(ここでは外貨建ての定期預金を指します)について見てみましょう。
外貨預金は、「預金」という親しみやすさがあることや、昔から銀行で扱われてきた商品であることなどから、個人投資家には根強い人気があります。
特に、円の低金利が長く続いたため、外貨の高い金利に惹かれて取り組む人が多くなりました。
ただし、注意点もあります。
外貨預金の場合、円で外貨を買い付けて預金し、満期時に外貨を売却して円に戻しますが、この外貨の購入と売却の両方に為替手数料が発生します。
この為替手数料が大きなコストであることが、外貨預金の最大のデメリットなのです。
たとえば米ドルの場合、米ドルの購入時と売却時で1ドルあたり1円ずつ、合計で2円(「往復で2円」と表現します)の手数料がかかるのが通常です。
これを具体的な為替レートで説明すると、市場レートが1ドル95円の場合、米ドルの購入では96円(=95円+1円)、売却の場合は94円(=95円-1円)のレートが適用されます。
このケースでは、投資元本の約2.1%(=2円÷96円)は、為替のための手数料コストということになります。
他の通貨の場合も見てみましょう。
米ドルの場合も含めて、手数料は金融機関によって異なりますが、ユーロでは往復で3円、高金利通貨として人気のあるオーストラリアドルやニュージーランドドルでは往復で4円というところが多くなっています。
これだけ為替手数料が高いと、よほど高金利であるか、預入時の為替レートより満期時の為替レートが外貨高(=円安)になっていることで為替差益が得られるかしないと、円ベースでの実質利回りはマイナスになってしまいます。
為替差損が出るかもしれないリスク(為替リスク)を取って投資する商品としては、あまりにも固定的なコストが高いといえます。
また、外貨預金は日本の銀行への預金であっても、預金保険制度の保護の対象ではありません。
このため為替リスクのほか、預入先の銀行の信用リスクも取らなければならないのです。
このように見てくると、外貨預金は個人投資家が「人生のための資産運用」で取り組むには極めて不向きな商品だということがご理解いただけるかと思います。
次回以降も、「外国債券」の資産クラスの中の代表的な商品を取り上げてご説明します。
どうぞ、ご期待ください。
三輪 鉄郎
(1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、行政書士、宅地建物取引主任者)
昭和34年東京都生まれ。早稲田大学法学部卒。23年のサラリーマン生活の後、欧州系銀行を退職 。銀行員としての経験と知識を活かしながら、生活者のお役にたてる「独立FP」を目指し、三輪鉄郎事務所 を開業。『家計のホームドクター・人生というマラソンの伴走者』をモットーに、徹頭徹尾お客様の立場に立って、人生の夢実現を全力でサポートすべく奮闘中。

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