定期預金(円建て)
今回も「国内債券」の資産クラスの中の具体的投資対象を取り上げます。
定期預金(円建て)について見てみましょう。
定期預金(円建て)が「国内債券」の資産クラスの金融商品であるというと、「定期預金と債券はちがうだろう」と思われる方もあるでしょう。
債券投資とは、わかりやすく言えば、お金の借用証書を有価証券にしたものに投資することであるのに対して、定期預金とは銀行に一定期間お金を預けることと考えてしまうと、確かに意外に感じるかもしれません。
しかし「資産クラス」とは、経済状況や市場環境の変化に対して、同じような値動きをするものを集めたものです。
そして、この観点から見ると、円建ての債券と円建ての定期預金は同じ資産クラスに入るのです。
たしかに、一定期間お金を定期預金に預け入れた場合には、満期までの間に金利が上昇したとしても、固定利付債券のように価格が下落するわけではありません。
しかし、得ることができない金利上昇のメリットを機会利益の逸失=損失と認識できれば、債券を保有していた場合と同じように、金利上昇時には価値が下落する金融商品であることがわかります。
また、固定利付債券の場合、保有期間中に金利が上昇して債券価格が下落したとしても、その時点で売却せずに満期償還まで保有すれば、額面金額で償還が受けられます。
この点では、償還期限まで保有する債券も、定期預金と等しい性質を持っています。
こうした点をご理解いただければ、定期預金が国内債券の資産クラスに分類されることがお分かり頂けるかと思います。
さて、定期預金(円建て)がポートフォリオの中で担う役割はなんでしょうか。
それは、高い収益の追求やインフレ対策ではありません。
元本の確実な確保です。
この点を肝に銘じて、定期預金で金融機関の信用リスクをとることは、絶対に避けましょう。
定期預金を預ける際には、預金保険制度で保護される、普通預金など他の預金とも合わせて、1金融機関につき元本1千万円の範囲内に収めるようにし、これを超える金額については、別の金融機関を利用するようにしましょう。
お金を預け入れるというと錯覚を起こしますが、預金をするというのは「金融機関にお金を貸すこと」なのですから。
ところで、満期の償還金の通貨や預入期間が、銀行の選択で決まるという制約があるかわりに、通常より適用利率が高く設定されているといった商品があります。
いわゆる「仕組み預金」ですが、人生のための資産運用では絶対に利用しないようにしましょう。
定期預金の使命は、高い収益の追求やインフレ対策ではないことをしっかり認識して、リスクを取って高いリターンを目指すという役割は、他の資産クラスの別な金融商品に負わせるようにしましょう!
次回以降も、代表的な商品を取り上げて、ご説明していきます。
どうぞ、ご期待ください。