居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例(2)
居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例(2)
【初めての方は、事前にこちらをお読みください】
マイホームの売却で損失が出てしまったAさんですが、「居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」の適用を受けることにより、平成20年分については源泉徴収税額全額の還付を受けることができました。
平成21年以降はどうなるのでしょうか?
Aさんの給与所得等がずっと変わらなかったものとして見てみましょう。
まず、平成21年と平成22年ですが、対象となる損失金額のうち、前年までに通算しきれなかった金額が繰り越され、通算されることになります。
その結果、所得税額はゼロとなり、源泉徴収税額の52万円は全額がAさんに還付されます。
平成23年については、平成22年に通算しきれなかった200万円が繰り越されることになりますので、給与所得の700万円と通算できるのはこの200万円のみとなります。
通算しきれなかった500万円に対する所得税は課税されることになり、源泉徴収税額のうち一部が還付されることになります。
この流れをまとめると以下のようになります。
| 平成20年 | 平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | |
| 損失金額 | 2,300万円 | 1,600万円 | 900万円 | 200万円 |
| 給与所得 | 700万円 | 700万円 | 700万円 | 700万円 |
| 所得税額 | ゼロ | ゼロ | ゼロ | ※ |
| 翌年に繰越される金額 | 1,600万円 | 900万円 | 200万円 | ゼロ |
※通算後の金額からAさんの所得控除額を控除した金額から求められた所得税額と源泉徴収税額の差額が還付される
繰越控除が認められるのは、「翌年以降3年間」なので、Aさんのようにきれいに通算できるケースは少ないかもしれません。
もし、この期間内に通算しきれない損失金額が残ってしまった場合は、それ以降は繰り越されず、残念ながら切り捨てということになります。
石山 貴
(1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、宅地建物取引主任者、マンション管理士)
昭和45年埼玉県生まれ。早稲田大学社会科学部卒。商社系コンピュータ会社勤務の後、FP教育機関にてFP関連のテキスト・書籍の執筆等に従事するとともに、FP資格受験生に対する受験相談や指導にあたる。ファイナンシャルプランナーとしては、不動産と相続を中心に、関連する分野を網羅した総合的な観点からのアドバイスを心がけている。
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