2009年3月10日 (火)

居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例(1)

不動産の税金いろいろ

居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例(1)

「居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」とは、個人がマイホームを売却して損失が発生した場合に、その譲渡損失の金額のうち、一定の住宅ローンの金額から売却価額を控除した残額を限度に、給与所得等の他の所得と通算、翌年以降3年間に渡って繰り越すことができる特例です。

特例を受けるには、①所有期間が5年を超えるマイホームで、現に自分が住んでいるものであること(住まなくなってから3年後の年末までに譲渡される場合等も可)、②売却するマイホームについて住宅ローンの残額があること、③繰越控除する各年分の合計所得金額が3,000万円以下であること、④売却相手が、配偶者など一定の関係者でないこと、といった要件を満たす必要があります。

特例の具体的な内容を次のAさんの例で考えてみましょう。

Aさんは、平成8年に6,000万円で購入したマイホームを、平成20年に2,500万円で売却(建物の減価償却費800万円、譲渡費用100万円)して、賃貸住宅に住みかえました。

Aさんには、売却したマイホームの住宅ローン残額が4,800万円あり、平成20年の所得は給与所得のみで700万円、源泉徴収税額は52万円でした。

この場合、課税譲渡所得は、2,500万円-(6,000万円-800万円)-100万円=▲2,800万円となるので、Aさんには2,800万円の譲渡損失が発生しています。

譲渡損失の金額のうち特例の対象となるのは、住宅ローン等の残額から売却価額を控除した残額が限度です。

Aさんの場合には、4,800万円-2,500万円=2,300万円となります。

給与所得の700万円と対象となる損失金額2,300万円との損益通算により、平成20年分に関しては、所得税額はゼロとなり、源泉徴収税額の52万円は全額がAさんに還付されます。

譲渡による損失が出ていたAさんにとっては非常に大きな還付といえそうです。

さて、給与所得の700万円は損失金額と通算されましたが、1,600万円はまだ損失のまま残っています。

次回は、この損失金額の残り1,600万円がどうなるのかを見ていきたいと思います。


石山貴 石山 貴

(1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者、宅地建物取引主任者、マンション管理士)

昭和45年埼玉県生まれ。早稲田大学社会科学部卒。商社系コンピュータ会社勤務の後、FP教育機関にてFP関連のテキスト・書籍の執筆等に従事するとともに、FP資格受験生に対する受験相談や指導にあたる。ファイナンシャルプランナーとしては、不動産と相続を中心に、関連する分野を網羅した総合的な観点からのアドバイスを心がけている。

【ブログ】CFP石山貴のブログ

« 不動産を売って損が出たらどうなるの? | メイントップ | 居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例(2) »


 固定資産税とは?(4)

 固定資産税とは?(3)

 固定資産税とは?(2)

 固定資産税とは?(1)

 不動産を所有しているときの税金は?

 長期優良住宅を取得した場合の税金

 mobile(携帯)HPはこちら

 住宅ローン控除とは?(6)

 住宅ローン控除とは?(5)

 住宅ローン控除とは?(4)

 住宅ローン控除とは?(3)

 住宅ローン控除とは?(2)

 住宅ローン控除とは?(1)

 贈与を受けて住宅を取得した場合の税金は?(3)

 贈与を受けて住宅を取得した場合の税金は?(2)

 贈与を受けて住宅を取得した場合の税金は?(1)

 印紙税とは?

 登録免許税とは?(3)

 登録免許税とは?(2)

 登録免許税とは?(1)

 不動産取得税とは?(2)

 不動産取得税とは?(1)

 不動産を買ったら税金がかかるの?

 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例

 居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例(2)

 居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例(1)

 不動産を売って損が出たらどうなるの?

 居住用財産の売却における「3,000万円特別控除」

 居住用の土地建物を売却したときの税金は?

 不動産を売却した場合の「取得費」とは?

 長期譲渡所得と短期譲渡所得における「取得日」

 長期譲渡所得と短期譲渡所得の分かれ目

 長期譲渡所得と短期譲渡所得

 不動産を売ったら税金を取られるの?


やってみよう!あなたに必要な相続対策は? ⇒「相続対策チェック」はこちら

コピーライト

  • トップページ会社概要プライバシーポリシーサイトマップお問い合わせ不動産売却不動産購入FPの土地コンサルティング携帯HP

    CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。AFFILIATED FINANCIAL PLANNER®、アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー®は、NPO法人日本FP協会の登録商標です。


    株式会社フリーダムリンク 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-1-8 オーベル渋谷602 TEL 03-3406-4461

    Copyright © 2009 Freedomlink Co., Ltd. All Rights Reserved.