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【第10回】不動産の共有状態を解消する

どの方法を選択するのか実現可能性や税金も考慮して総合的に検討しよう

本連載の第5回「相続した不動産の名義を変更する」では、相続した不動産を活用するには相続登記が必須であること、法的に有効な遺言書があれば相続登記はできるが、ない場合には遺産分割協議で不動産を引き継ぐ人を決める必要があることを解説しました。

そのうえで、「安易な考えで法定相続分どおりに相続登記をすると、不動産共有に関するトラブルを引き起こす可能性が高くなる」とお伝えしました。ご存じない方もいると思いますので、簡単に説明します。

不動産が分けにくいなどの理由で遺産分割協議がまとまらないときなどに、喧嘩にならないように法定相続分で相続登記をするケースが少なくありません。その場合、その不動産は相続人全員の共有物となります。

共有物になると、建替え、売却、担保設定等の不動産活用を行うためには、原則として、その不動産の共有者全員の同意が必要になります。ところが、不動産の活用が必要となった時期に、共有状態のまま長い年月を経て共有者間の関係が疎遠になっているなどすると、意見がまとまらないことが多いのです。

このように、共有者の意思疎通を図ることができず、不動産活用の話を進めることが困難になることが、不動産共有に関するトラブルなのです。そこで今回は、すでに共有となっている不動産について、大きなトラブルになる前に共有状態を解消する方法を検討したいと思います。

 

広い土地なら分割も可能だが建物の場合は現実的に難しい

① 共有不動産の分割
共有持分の割合で不動産を分割する方法です。共有者の人数分に分けられるような一定の広さがある土地であること、道路付けや地形等で分割可能であることなどが条件となります。

土地は、大きさや区画を変更すると価値に違いが出るため、分割後の土地価格を考慮した分割方法を検討すべきでしょう。建物の場合には、現実的に分割するのは難しいため、違う方法を検討することになります。

② 共有不動産の売却
共有不動産を第三者に売却し、共有持分の割合に応じて売却代金を受け取る方法です。不動産を手放すことや売却価格等について、共有者全員が同意する必要があります。

実行する際は、売却価格だけではなく、売却のための諸費用や売却時の税金まで把握しておくと安心できます。なお、共有者の中に相続が発生している人がいれば、売却までに相続登記を完了させる必要があります。

③ 共有持分の交換
共有不動産が他にある場合や共有者が他に不動産を所有している場合には、不動産の共有持分等を交換することができます。

ただし、税務上有利となる「固定資産の交換の特例」を適用するためには、個人が土地や建物などを同じ種類の固定資産と交換すること、所有期間は1年以上を要すること、交換する資産の時価の差が高いほうの価額の20%以内であることなどの条件を満たす必要があります。事前に税務署等に確認しておきましょう。

 

共有者の1人に資力があれば他の持分を買い取る方法も

④ 共有持分の売買
共有不動産の共有持分を他の共有者に売却する方法です。共有者のうちの1人が他の共有者から共有持分を買い取ることで、単独所有することができます。単独所有する人が誰なのか、共有持分の売買価格をいくらにするかなど、共有者間で話をまとめる必要があります。

現実的には取得する人の資力が問題となることも少なくありません。また、手放す人は譲渡にかかる税金を考慮する必要があります。

⑤ 共有持分の贈与
共有不動産の共有持分を他の共有者に贈与する方法です。共有者のうちの1人が他の共有者から共有持分の贈与を受けることで、単独所有することができます。共有不動産の価格がそれほど高くない場合、あるいは共有者の持分の割合が大きくない場合に検討できます。

しかし、通常は1人の人が年間に、贈与税の基礎控除額110万円を超える財産の贈与を受けると贈与税の対象となりますので、事前の確認が欠かせません。

 

すでに共有となっている不動産も、最初に共有になったときの共有者は、親子や夫婦、兄弟などの家族だったケースが多いでしょう。しかし、身近だからこそ、過去の感情がよみがえり話がまとまらなくなることも少なくありません。共有状態を解消するためには、どこかでお互いに割り切る覚悟を持つことも必要となるでしょう。

実行にあたっては、どの方法を選択するのか、複数の方法を組み合わせるのか、法的にも技術的にも実現可能なのか、価格設定はどうするのか、資金調達は問題ないか、税金等は確認できているかなど、総合的にしっかり検討してください。

 

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代表取締役 CFP®
永田 博宣

 

近代セールス社「ファイナンシャル・アドバイザー」連載~プロが教える不動産の活かし方(2016年1月号)~より転載

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